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  • 執筆者の写真千葉芽弓

万引き家族

話題のカンヌ国際映画祭でパルムドール受賞した「万引き家族」を朝イチで観てきました。

泥臭い、生々しい人間臭さを五感で感じさせるすごい作品でした。

暑い暑いといってあおぐ姿、そうめんをすする音やげっぷなどの生活音、食べ物をわかちあう姿、せみの脱皮、リンの下の歯が抜けて屋根の上に投げること、駄菓子屋のおじさん演じる柄本明が万引きをみつけながらも、おやつを渡して「妹にはさせるなよ」と言ってくれる人情、ひとつひとつのシーンと表情が突き刺さりました。

季節感や人間の欲望をあからさまにみせるところが、なつかしさを思い出し、どこか人間が持つべく本質を突かれた感じです。

おねしょをするリンに、塩をなめさせておねしょの特効薬だといったり、松岡茉優演じるサヤカの足が触れて「何かあった?」と気遣い「いつもより冷たいから」と察知する樹木希林演じるおばあちゃん。そうだったよね、そうだよね、とマクロビオティック的な視点でも見ていた。

キャスト一人ひとりの圧倒観と存在感の織り成すすごい世界。

「愛」ってなんだろう、本当の愛してるって何だろう?は永遠のテーマで本物や本当はないと思っています。

本当の家族や夫婦が本物かといったら、もっと魂レベルでつながり合う関係って絶対あると思っているから。

最近駅のホームで、なんでこの人のアップ?!!と思っていた安藤さくら。この人のすごさ、最近では一番印象に残る名女優さんだなと、美人じゃないけどその表情たる魅力に深く納得してしまいました。

人は姿かたちではない、コンプレックスなんていらない、自分らしさをありのままに見せればいいのだと思わせてくれる人。

おそらく舞台は下町できっと荒川区~墨田区あたりなんだろうな、と思うとよりリアルにいろんなことを考えてしまいました。

押上方面へ「衣育食育住育カフェ」に自転車で向かったときに通った山谷地区や吉原あたりに感じたなんともいえない空気感を思い出していました。貧しさは心をゆがませる、豊かさもまたゆがませる。

東京の真ん中はどこか仮面をかぶっていて、偽り気取って、みんなが肩ひじ張って生きねばいけない感じがします。それが窮屈で無理とストレスを生んでいますよね。お金が沢山あるほどにどんどん物質に固められて自然からは外れていくような。

自然と離れれば離れるほど人は病んでいく、、、

海でこの6人家族が戯れる姿は本当に楽しそうでよかったです。その瞬間の幸せが彼らの心の糧になるといいな、と想いながら、ラストシーンのリンが飛び降りようとしているようなシーンが重かった。

皆さんもぜひ見に行って、感じてみてくださいね。

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